日本経済団体連合会が現在の就活ルールを将来的に廃止する意向を発表した
現在の就活ルールや採用ルールと呼ばれる“ルール”とは、3月に会社説明会解禁、6月に面接解禁というように採用スケジュールが決められていて、企業はそれに則った採用を行わなければならないというもの
なぜ廃止されるのか
その理由はいくつか挙げられている
終身雇用を前提にした日本の就職活動は日本経済に適合していない
横並びのルールの限界を認めて通年採用に舵を切る必要があるからなど
ソフトバンクは「学生が就活をしたい時期、企業が人材を欲しい時期に採用するのが本来あるべき姿」と発言している
単なるスケジュールの早期化ではなくて採用の通年化が当たり前になっていくのではないだろうか
驚いたのは廃止する理由の1つに東京五輪が挙げられていることだ
セミナーや面接会場が足りないからという
ただ本音は学生には2020年6月には就活を終わらせてボランティア要員になってもらう必要があるからなのかもしれない
東京五輪については経済効果の話が多いが、就職活動まで変えてしまう
まさに日本中を巻き込む大イベントなのだと感じさせられる
今回の経団連の発表は大きく話題になっているが、実際に影響力があるのは実はマイナビやリクナビなどの就活ナビサイトである
就活ナビサイトが日本の就活を牛耳っている
〈就活サイトでの就活の流れ〉
サイトに登録→時期になるとエントリーボタンを押す→合同説明会等に参加
→各社の採用HPに飛ぶ→会社説明会に参加→エントリーシート提出
→学力試験→面接(3~)→合否の連絡→内々定→内定
→サイトで内定をもらった会社を登録(実績)→退会
就活ナビサイトはどのように日本の就活を変えていくのだろうか
結局今まで通り期間を定めて企業を取りまとめていくのか
それとも通年化に向けて大きく変わっていくのか
インターンシップの必須化
(インターンシップを経験しないと採用の次のステップに進めないなど)、新卒用のページがなくなる、アイコン写真の登録やネット上での就活の本格化など、就活の大革命が起きるだろう
インターンシップの機会が増えることで学生は自分が働く企業の環境や雰囲気を自ら感じることができるようになる
このメリットは大きくて、会社説明会ではどうしてもその会社のアピールポイントしか聞くことができない
そのベールの下を少しでも自分の肌で感じられることができたら実際に入社してからのストレス軽減に繋がる
内定辞退の減少
4月1日入社に縛られず、通年採用やインターンシップを通しての採用が取り入れられていくことで、学生の焦りや内定辞退は減る
また企業側も常に欠員補充ができ、ある程度仕事を覚えた人材を本採用できるので、メリットも多くあるが、研修プログラムの管理や人事管理が課題となる
各部門での採用や研修にする手もあるが、各部に人事を配置して通年採用をするという負担は受け入れられるのに時間がかかりそうだ
何はともあれ就活のルールが大きく変わると採用戦略を練り直す必要があるため、採用コストが大きくかかる
就活ナビサイトの改革、大企業の動き、それに影響される中小企業、既に通年採用でやってきているベンチャーや外資、
そして何より学生はこの変化に対してどう考え、どう動いていくのだろう
みんながしているからする就活
リクルートスーツを着て黒染めをしてする就活
名のある企業だからとりあえず受けておく就活
30社40社はエントリーしておく就活
今まで当たり前だった就活が少しずつ変わっていくだろう